斜面内部の状態変化を、
地中から捉える。
降雨後、個々の斜面の内部で何が起きているかを常時把握する手段は限られています。SAND-Xは、地中の水分・水圧などの状態変化を継続的に計測するセンシングデバイスを開発しています。
斜面の状態が見えていない
同じ雨が降っても、地盤の状態は斜面ごとに異なります。地中の水分や水圧は地表から直接見ることができず、降雨後にそれぞれの斜面で何が起きているかは、地表からは分かりにくいままです。
- 01 雨が降る
- 02 地中に浸透する
- 03 地中の水分・間隙水圧が変わる
- 04 地中から捉える
- 01 雨が降る
- 02 地中に浸透する
- 03 地中の水分・間隙水圧が変わる
- 04 地中から捉える
静的な危険箇所と、動的な状態
「危ない可能性がある場所」と「いま危ない状態」は異なります。既存の情報が示す危険箇所に、いまの地中の状態を重ねることで、判断の材料を増やせると考えています。静的な情報を置き換えるものではありません。
地中の水を測る理由
斜面の状態変化には、土中の水分・水圧が関係します。降雨が地中に浸透し、含水率や間隙水圧が変化すると、土粒子どうしを支える力が変わり、斜面内部の状態に影響します。地表の雨量だけでなく、地中で実際に何が起きているかを捉えることを目指しています。
- 土粒子
- 間隙の水
- ↕粒子間に作用する力
- 降雨
- 浸透
- 水分・水圧の変化
- 斜面内部の状態に影響
対象
技術検討・試作は、自然斜面・急傾斜地(砂防で扱う斜面の表層を含む)を想定して進めています。同じ測り方は、雨や地中の水が状態に関わるほかの斜面や土構造物にも広げられると考えています。
現在の中心
広げうる先
デバイス概要
地中の水分・水圧(状態変化の原因の側)と、傾き・揺れ(結果の側)を、同じ場所・同じ時刻で1本の杭で継続的に測る、杭型のセンシングデバイスを開発しています。
想定計測項目
想定構造
- 地上部
- 発電・通信
- 地中部
- 地中約1m程度に設置。深さ方向の複数位置で計測
現場からクラウドへ。
地中で取得したデータを通信でクラウドへ送り、処理・解析を経て可視化します。状態の変化は、斜面の管理者へ通知します。数値を受け取るのは斜面を管理する側であり、避難情報の代わりになるものではありません。
- 斜面
- 間隙水圧
- 体積含水率
- 傾斜
- 加速度
- 地上部からデータ送信
- データ受信
- デバイス制御
- データ正規化
- オープンデータ解析
- Web 等で状態を確認
- メール/SMS/電話で通知
- 01 SITE現場斜面
- 02 SENSINGセンシング間隙水圧・体積含水率・傾斜・加速度
- 03 COMMUNICATION通信地上部からデータ送信
- 04 CLOUDクラウドデータ受信・デバイス制御
- 05 ANALYSISデータ処理・解析データ正規化・オープンデータ解析
- 06 VISUALIZATION可視化Web 等で状態を確認・メール/SMS/電話で通知
どこまで捉えられるのか
センシングには、深さ方向と水平方向の限界があります。表層崩壊・地すべり・土石流などのうち、どの現象をどの程度捉えられるかは、今後のフィールド検証を通じて明確にしていきます。
- 計測対象
- 計測可能性
- 直接把握が困難な領域
-
深さ方向の限界
地中約1m程度への設置を想定しており、直接計測できるのは浅い領域です。
-
水平方向の配置
地盤は不均一であり、1点の計測が斜面全体を代表するとは限りません。配置の方法と密度は今後検証します。
-
深いすべり面への対応
深い位置の水分・水圧は直接計測できません。傾斜・加速度などの変位から状態変化を捉えられる可能性があり、今後検証します。
データの活用可能性
将来的な異常兆候の把握だけでなく、既存の斜面管理や土木の判断に役立つデータの価値を検討しています。判断を自動化するものではなく、判断の材料を増やすことが目的です。
-
斜面安定解析への実測値利用
仮定値ではなく実測値を解析に用いる可能性。
-
斜面状態の継続把握
降雨前後を含む地中状態の推移を把握する。
-
工事・対策後の継続観測
対策工の効果や変化を継続的に確認する。
-
維持管理
点検・管理の優先順位づけの材料とする。
-
将来的な異常兆候の把握
対象現象と条件は検証を通じて整理する。
現在の開発段階
センシングデバイスは試作を進めており、実測・フィールド検証はこれからです。フィールドの情報をもとにPoC機をカスタマイズし、将来の共同検証を見据えています。設置のしやすさ、通信の安定性、計測値と斜面の状態変化の関係を、フィールドで一緒に実証する相手を探しています。
- 技術検討完了・継続
- 試作現在
- 評価
- フィールド検証
- PoC
- 実用化
斜面センシングに関する研究・技術連携について、ご相談ください。
自治体・都道府県、インフラ事業者、大学・研究機関、建設・防災関連企業の皆さまとの研究・技術連携、将来のフィールド検証についてお話しします。